→DNA修復試験
組み替え修復機構欠損株:rec-assay (枯草菌
除去修復機構欠損株:hrc-assay (サルモネラ菌
DNAポリメラーゼ欠損株:pol-assay (大腸菌
*細菌におけるDNA修復試験(repair test)
DNA修復機構の一部を欠損した菌株と修復機能をもつ野生株に同じ薬剤を作用させて生育感受性(生育阻害の程度)を比較する。
DNA修復機構欠損株は、野生株に比べて、DNA損傷誘起物質によって死滅しやすいため、両株の生育阻止に差が生ずれば、薬剤によってDNA損傷が生じたためと考える。
この方法は、直接突然変異誘起作用を調べているわけではないが、実際、このDNA修復試験で陽性を示した物質の多くに突然変異誘起性があることが知られる。
枯草菌(組替修復機構欠損株:rec-assay)や大腸菌(DNAポリメラーゼ欠損株:pol-assay)のほかサルモネラ菌(除去修復欠損株)なども用いられている。主として、プレート上に菌液をストリーク、あるいは一面に広げ、薬剤をしみ込ませたろ紙を置き、一晩培養した後、ろ紙周辺に生じる生育阻害帯の長さを比較するが、液体中で試験する方法もある。特に枯草菌では、胞子の利用やS9ミックスを加える代謝活性化系の導入など感度を高めるための改良がなされている。
→感受性法
→rec-assay法
化学物質による突然変異の誘発は、これが細胞DNAに反応して生じる欠損が起点となって起こる。
一方突然変異誘発剤はたいていの場合、細胞に致死的に働く。
何故なら、DNAに生じた障害は細胞致死の原因ともなるからである。ところがDNAに障害を与えるか否かを知るのに便利な方法が工夫された。
細胞DNAの障害の大部分は、細胞による修復の対象になる。DNAの傷害が修復されれば、細胞致死からまぬがれる機械が増える。
DNA傷害の修復は、細胞の酵素の働きによるものであるが、人為的にはこれらの酵素活性に欠いた変異株を分離することが可能である。
修復能力を有する野生株と、修復能力に欠いた変異株の両者のDNA傷害を誘起する化合物質に対する生育感受性を比較してみると、前者は当然後者よりも抵抗性が高い。
この現象は逆に、次のように利用される。
いまある薬剤があって、野生株に比して修復欠損株に高い生育阻害作用が見出された場合、この薬剤はDNAに傷害を与え、これが修復されないために生育阻害が高いものと解釈される。
このような方法で多くの試薬がDNAを損傷スルか否かを調べることは、突然変異を直接検出することよりも約1/10の時間と労力で済む。
DNAに傷害を与える薬剤は、多くの場合突然変異を誘起することが多い。
事実、枯草菌を用いたこの種の試験によって、まず”DNA-damaging"な化合物をスクリーニングし、その後、これらの突然変異活性を調べるという方式は現時点で最も能率の高い方法と考えられる。
細胞によるDNA傷害の修復の方式は大まかに分けて、除去修復(Excision repair)と、組み換え修復(Recombination repair)の二型がある。後者にかけている株はRec-と総称し、前者にかけている株はHcr-と呼ぶ。
その他DNAポリメラーゼⅠにも除去修復に働いておりその欠損株はPol-と示される。
現在のところ、枯草菌、大腸菌、サルモネラ、酵母などの修復欠損株が致死感受性法によるDNA傷害物質のスクリーニングに使用されている。
◆枯草菌Rec-assay法
薬剤の枯草菌野生株(Rec+)と組み替え修復機構欠損株(Rec-)に対する感受性を測定、比較する方法で通常H17(Rec+)およびM45(rec-)が使用されている。枯草菌細胞には、薬剤が比較的浸透しやすい。
この予備スクリーニングを復帰変異試験と併用する方法によって現在までフリルフラマイドなど10種類以上の新変異原が検出されている。
実験法
枯草菌(Bacillus subtilis)H17Rec+およびM45Rec-をそれぞれB-2液体ブロスで一晩培養する。
一方B-2ブロス寒天培地を用意して、その表面を乾燥させる。0.1mlの小型ピペットでそれぞれの菌浮有液を八の字型にstreakする。
この際streakの先端で両株が混ざり合わぬように注意する。液が十分しみ込んだ後、直径10mmくらいの円形ろ紙に検体溶液(0.02~0.03mm)をしみ込ませ、八の字型の頂点をおおいつつのせる。シャーレを37℃で1昼夜培養して作った生育阻害帯の距離(ろ紙端より測定)を記録する。
もし、M45の阻害がH17よりも強い場合はこの薬剤を陽性と判断する。
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てすとてすと
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