2007年6月21日木曜日

植物機能科学実験レポート 完成版

なんとか終わりました。
後半やる気なくなって教科書のトレースになってます(笑)
例によってワードのコピペなのでレイアウト的におかしいです。
眠気に余裕があれば直します。

直してみました。こんな感じでいかがでしょう。

文章の力のなさはあきらめてください。
おかしいとこあったら突っ込んでくれると助かります。
参考にしていただければ幸いです。


植物機能科学実験レポート

1. 目的
 無機窒素が植物体の成長、葉組織、タンパク質あるいはCO2の固定酵素のレベルにどのような影響を及ぼすかを理解すること。

2. 方法・結果
  1) 生長解析
 あらかじめ生育させておいたトウモロコシの幼苗を用いる。幼苗の新鮮重量、草丈、根の長さを記録し、幼苗には個体番号をつけておく。
 これらの幼苗を完全栄養区と窒素要素欠除区になるように調製した2つの培養液でそれぞれ5本ずつ生育させる。完全栄養区をN+、窒素要素欠除区をN-とする。



 また、新鮮重量と、植物体を封筒に入れて乾燥器中で乾燥させた後の乾燥重量も測定する。




  2) 葉組織の顕微鏡観察
 トウモロコシ(C4植物)とカランコエ(CAM植物)の葉断面を光学顕微鏡を用いて構造の違いを観察する。
 フェザーナイフで葉を切り、葉切片をつくる。ニワトコに切れ目を入れ、これに葉切片をはさみニワトコごと葉切片を薄く切る。これでプレパラートを作り、光学顕微鏡で観察する。(資料① 図1.トウモロコシとカランコエの葉断面)

  3) タンパク質の定量
① タンパク質の検量線
 標準タンパク質に牛血清アルブミンを用いて検量線を作成する。
 まず牛血清アルブミン溶液(0.8mg/ml)を5段階に希釈する。



 これらの溶液にブラッドフォード溶液を3ml加え、590nmの吸光度を測定する。ブランクは水50μlにブラッドフォード3mlを加えたものとする。
 ここで得た吸光度を使い、横軸にタンパク質の濃度、縦軸に吸光度をとり、検量線を書く。(資料② 図2.タンパク質検量線)
② 葉のタンパク質量
 各実験区のトウモロコシと、別に用意したツタ植物の葉片それぞれ0.2gを抽出用緩衝液(50mM Tris-HCl, pH7.5, 0.2mM EDTA, 5mM DTT)2ml、0.3gの海砂、およそ100mgのPolyclar ATとともに氷冷した乳鉢を用い磨砕し、ミラクロスでろ過する。各ろ液をメモリつきのスピッツグラスに移して測定する(①)。
 各ろ液1mlをエッペンドルフチューブに移して10,000rpmで5分間遠心分離し、その上澄み液を得る。このうち、各上澄み液の100μlはポリアクリルアミド電気泳動(SDS-PAGE)用に保存する。
 こうして得た溶液を5倍に希釈(②)して、50μlとり、ブラッドフォード溶液3mlを加えて590nmの吸光度を測定する。この吸光度と検量線を用いて各資料の1g当たりに含まれるタンパク質の量を計算する。
試料1g当たりのタンパク質=③×②×①×1.0/0.2


すみません。ここのN+の吸光度0.990じゃなくて0.099でした。

  4) 葉緑素の定量
 各実験区のトウモロコシの葉それぞれ0.2gを抽出用緩衝液4ml、0.3gの海砂とともに氷冷した乳鉢で磨砕し、ミラクロスでろ過する。各ろ液は目盛りつきスピッツグラスに入れて測定する。各ろ液200μlを80%アセトン1.8mlの入ったマイクロチューブに移し、ボルテックスミキサーでよく攪拌したのち、10,000rpmで5分間遠心分離する。その上澄みをパスツールピペットでセルに移し、分光光度計で663nmと645nmにおける吸光度を測る。




 この吸光度より以下の式を用いて葉に含まれる葉緑素量を計算する。

クロロフィルa(μg/ml) = 12.7 × A663 – 2.69 × A645
クロロフィルb(μg/ml) = 22.9 × A645 – 4.68 × A663
全クロロフィル(μg/ml) = 8.02 × A663 + 20.2 × A645

 また、葉1g当たりに含まれるの葉緑素の質量は以下の式で求める。
葉1g当たりクロロフィル質量 = 全クロロフィル濃度×10×ろ液容量×5



   ○ 薄層クロマトグラフィー
 各実験区のトウモロコシ葉0.2gとシリカゲル大さじ1杯を乳鉢で磨砕する。これをエッペンドルフチューブに入れてエチルエーテルと混合し、10,000rpmで遠心分離する。この上澄みを同一の板状、下から約5mmの位置に各10回ほどスポットし、石油エーテルとアセトンが7:3の割合の混合溶液につけておく。しばらくして、展開してきた葉緑素を確認する。


図3.薄層クロマトグラフィー

  5) SDS-PAGE
 12.5%のポリアクリルアミドゲルを電気泳動装置にセットしてコームを外し、泳動用緩衝液(25mM Tris、0.1% SDS、192mMグリシン)を電極槽に注ぎいれる。このとき、ゲルの下端に気泡が入らないように注意する。3)、②で保存した上澄み液20μlを左からマーカー、N+、N-、ツタの順にゲルの溝に拡散しないよう入れる。この後、定電流25mAで約1時間通電する。泳動後、ゲルが裂けないよう注意しながらガラス板から剥がし、タンパク質検出用とWestern blot用にゲルを泳動した方向に半分に切って分ける。Western blot用のゲルはアルミホイルに包み、冷凍保存する。タンパク質検出用ゲルはクマシーブリリアントブルーRに浸して1時間染色する。
 各試料のバンドの位置、濃さなどの差異を観察する。(資料③ 図4.SDS-PAGE)
 マーカーのバンドを利用して各バンドの分子量を求めることが出来る。ここではRubiscoを例にとる。
 各タンパク質の相対移動度(Rf)を求め、縦軸に分子量を、横軸にRfをとり、その関係を図示した後(資料④ 図5.タンパク質の分子量と相対移動度の関係図)、求めたいタンパク質の相対移動度をSDS-PAGEから調べ、関係図から分子量を推定できる。




 作成した関係図よりRubiscoの分子量は49,000であると分かる。

  6) PEPC抗体を用いたWestern blotting
 5)で保存したSDS-PAGE後のゲル、PVDFメンブレン、及び厚手のろ紙を転写バッファー(0.1M Tris、192mMグリシン、20%メタノール)におよそ30分間浸しておく。ただし、PVDFメンブレンはあらかじめメタノールに30秒間浸した後、転写バッファーに浸しておく。
 転写装置のマイナス極側に、ろ紙4枚、PVDFメンブレン、ゲル、ろ紙4枚の順に載せていく。このときゲル、メンブレン、ろ紙の間に気泡が入らないよう注意する。全て載せ終えたらプラス曲側のフタをセットし、定電圧10Vで80分間転写を行う。転写終了後、PVDFメンブレンをジッパー付きポリ袋にいれて密封し、次の操作まで冷凍保存する。
 次に転写後のメンブレンを染色する。メンブレンをプラスチック容器にいれ、TBS溶液10mlを加えて30分間振盪してブロッキングを行う。それをTTBS溶液10mlで10分間洗浄したあと、PEPCに対する抗血清20μlを加えて室温で振盪下に1時間反応させる。反応後、TTBS溶液10mlで5分間2回洗浄を行い、ホースラディッシュペルオキシダーゼ結合ヤギ抗ウサギIgG液3.3μlを加えて振盪下に1時間反応させ、標識したTTBS溶液で10mlで5分間2回、TBS溶液10mlで5分間洗浄した後、発色液10mlを加えてPVDFメンブレン上でPEPCのバンドを特異的に発色させる。発色を確認後、蒸留水で洗浄する。洗浄されたPVDFメンブレンは、ろ紙に載せて乾かす。
 各実験区ごと、またはツタ植物によって発色したバンドの差を確認する。(資料⑤ 図6.Western blotting)

3. 考察
 トウモロコシのN+とN-の生長解析のデータをみると全ての数値でN+の実験区のほうがより生長していることがわかる。これはN-の実験区で培養液に窒素元素が欠けていることが原因である。窒素原子はタンパク質や核酸などを作るために必要な元素であり、これが欠けていたため、N-の実験区では植物の生育が阻害されたと考えられる。よって相対的にN+がよく生長したように見える。また、葉に含まれるタンパク質量を定量した実験においても、同じ理由によってN+の実験区のタンパク質量がN-の実験区よりも多かったという現象が説明できる。
 葉に含まれる葉緑素量の定量を行うと、N+のほうがクロロフィルa、bともにN-よりも多い。これもやはり生長解析の差と同じ理由であり、培養液に含まれる窒素の有無が関係している。これは、薄層クロマトグラフィーで出現したバンドの濃さによってもわかる。しかし、表6のb/aの項目をみるとほぼ同じ数値である。これはクロロフィルaとクロロフィルbの存在比率を示しており、このことから、窒素の有無によってはクロロフィルa・bの比率がどちらかに偏ることはないことがわかる。
 葉組織を顕微鏡で観察すると、C4植物であるトウモロコシではクランツ構造が確認できる。これは、C4植物が葉肉細胞だけでなく、維管束小細胞にも葉緑体を持ち、C3植物などと比べて発達した維管束小細胞を持つために見られる構造である。カランコエはC4植物ではないのでクランツ構造は確認できない。
 また、Western blottingを行い、PEPC酵素を特異的に検出する。すると、N+とN-では培養液の窒素の有無によってバンドの太さや濃さに差が生じているがどちらにもPEPCの存在は確認できる。しかし、ツタ植物ではPEPCのバンドは確認できない。これはC4植物ではないツタ植物にはPEPC酵素が存在していないことを示している。このことから光合成の過程でPEPCを用いるC4型光合成が、C4植物に限定された光合成の形態であると言える。
 
4. 感想
感想はいらないですよね?恥ずかしいのでー